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書きおろし・第9回 犬と障子の巻 [犬ばか歳時記]

書きおろし・第9回 犬と障子の巻

廊下に響く爪の音。そして障子のあやしい犬影。

必殺仕事人ではございません。雑種犬チルーです。

世間に座敷犬(ざしきいぬ)と外犬(そといぬ)という区別があるとするならば、
チルーさんは外犬です。

外に小屋があり、夏も冬もそこで寝泊りします。
が、時折、家の中に乱入してきます。

洗濯物を取り込まんとする一瞬のスキをついて突入することもあれば、
いつ、どこからともなく部屋の中に紛れ込んでいることもあり、
「あれ? チルーが小屋にいない」と思って探すと、
寝室のふとんの中で丸まっていたりします。
 
 子犬のころは、網戸を蹴破って突入してきましたが、成犬になると、
やっていいことと、取り返しのつかないことの区別がつくらしく、
網戸を破壊することはなくなりました。
窓のすきまから、小走りですーっと入ってくることが多いのです。
 
もちろん、和室の障子も、破ってはいけないと分かっているので、
障子戸が閉まっていれば、そこからは入って来ません。
そこで先刻の写真のように、影絵みたいになって、
じっと開くのを待っているのでした。

ところが、私が掃除しているとき、掃除機の先が当たって、
いちばん下の段の障子に小さな穴が開いてしまったのがいけなかった。

チルーさんは、そこから鼻先だけ出して、それからだんだん、
中に入りたい気持ちが、チルーの体を、中へ中へと押しやり、
障子の穴はじょじょに大きくなり、ついにチルーさんが和室へ突入!!
それから先は、畳の部屋をぐるぐる数周して追い出されたのでした。
雑種犬の自制心、そんなもんです。

チルーに突入されたあと、その障子を見て思いました。
これは、外国じゃあ、あり得ないことだなあと。
日本の家みたいに、基本的に木と紙で出来ていること自体めずらしいし、
西洋の犬は、しつけがきちんとしているので、自制心がよく働く。

したがって、「犬が障子から突入の図」みたいなことは、
日本ならではの風物詩なのではないかと思います。
おそらく、江戸の頃には、今よりもっとあっただろうと思う。

とくに、「生類憐れみの令」を出した綱吉のころには、犬がやりたい放題で、障子もやぶりたい放題だったんじゃないかしら、と。

よく映画の時代物で、ものすごく貧乏であることを示すために、
障子がボロボロの家が出てきますよね。
白石加代子さん扮する婆さんが、一人で住んでるような家です。

 今まで、「お爺さんお婆さんの一人暮らしであそこまで障子がボロボロになるかな~?」
って思っていました。
要するに、やりすぎなんじゃないかしら、と。
でも、あれは、犬を飼っていたんだね。
あるいは、野良犬とか野良猫が、乱入していたんだ。
障子もあれぐらい、ぼろぼろになるよね。
と、そんなふうに、納得がいったのでした。

 


2006-11-01 12:03  nice!(0)  トラックバック(1) 

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